介護の求人を無料で掲載するには?公的な窓口と求人サイトの仕組み
介護の求人を無料で出せる公的な窓口は、ハローワークと福祉人材センターです。求人サイトは料金のかかり方が掲載・応募・採用のどこにあるかで分かれ、2025年4月からは料金と違約金をあらかじめ明示することが事業者に義務づけられました。
この記事の内容
介護の求人を費用をかけずに出せる公的な窓口は、ハローワーク と 福祉人材センター(福祉人材バンク) の 2 つです。どちらも求人の受付から応募者の紹介まで無料で、採用が決まっても手数料はかかりません。
民間の求人サイトは、料金が「掲載したとき」「応募があったとき」「採用が決まったとき」のどこでかかるかで仕組みが分かれます。「無料」とうたっていても、条件つきのことがあります。2025年4月からは、求人サイトなどの事業者に、料金と違約金をあらかじめ書面などで示すことが義務づけられています。この記事では、それぞれの仕組みと、無料で出すときに確かめることをまとめます。
無料で出せる公的な窓口
ハローワーク
ハローワーク(公共職業安定所)は、職業安定法第8条で「無料で公共に奉仕する機関」とされています。求人の申込み・公開・応募者の紹介の全てが無料です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申し込むところ | 事業所の所在地を受け持つハローワーク(原則として雇用保険の適用事業所の単位) |
| 申込みの方法 | 求人者マイページで仮登録し、ハローワークが内容を確かめて受理・公開 |
| 求人の分け方 | 職種・就業場所・雇用形態・フルタイムかパートかごとに 1 件 |
| 有効期限 | 原則として受理した月の翌々月の末日 |
| 応募の経路 | ハローワークの紹介(窓口・オンライン)と、オンラインでの自主応募 |
初めて申し込むときなどは、ハローワークから事業所の訪問や電話で内容の確認があります。法令に違反する内容の求人や、雇用関係にない仕事の求人は受理されません。
オンラインの自主応募は紹介状が出ないため、特定求職者雇用開発助成金・トライアル雇用助成金などの対象にならない点に注意が要ります。助成金を使う予定がある場合は、ハローワークの紹介を経た応募かどうかを確かめます。
福祉人材センター(福祉人材バンク)
福祉人材センターは、社会福祉法にもとづいて都道府県ごとに置かれている、福祉の仕事を専門にした無料の職業紹介の機関です。求人は、全国の福祉の求人を集めたサイト「福祉のお仕事」の事業所マイページから申請します。介護や障害福祉の仕事を探している人が登録しているので、職種を福祉に絞って募集できるのが特徴です。
扱う求人の範囲は、社会福祉事業は全国共通ですが、介護保険の事業などは都道府県によって違います。手順とハローワークとの違いは 福祉人材センターへの求人登録 にまとめています。
自治体・福祉人材センターの就職フェア
都道府県・市町村や福祉人材センターは、介護の仕事の就職フェアや面接会を開いています。出展の費用や申込みの時期は主催者によって違うので、都道府県の介護人材の担当や福祉人材センターの案内で確かめてください。
自社サイト・SNS
自社のホームページや SNS に募集を載せることも、費用をかけずにできる方法です。この場合も、職業安定法の決まりはそのままかかります。募集広告には、募集主の名称・住所・連絡先・業務内容・就業場所・賃金 の 6 つの情報を載せる必要があり、SNS の投稿も同じです。労働条件の明示の項目は 介護の求人票の書き方と必須項目 を参照してください。
求人サイトの料金の仕組み
民間の求人サイトは、職業安定法では「募集情報等提供事業」にあたります。料金のかかり方は、一般に次の 4 つに分かれます。
| 仕組み | 料金がかかるとき | 事業所から見た特徴 |
|---|---|---|
| 掲載課金 | 掲載する期間・枠ごと | 応募が無くても費用がかかる。応募が多ければ 1 人あたりは安くなる |
| 応募課金 | 応募が 1 件あるごと | 応募の数に応じて費用が増える。応募の質はさまざま |
| 採用課金 | 採用が決まったとき | 採用まで費用がかからない。1 人あたりの額は大きくなりやすい |
| 無料掲載+有料の追加 | 上位表示・スカウトなどを使ったとき | 基本の掲載は無料。目立たせる機能に費用がかかる |
このほかに、求人と求職の申込みを受けて雇用関係の成立を仲立ちする 有料職業紹介(厚生労働大臣の許可制)があります。有料職業紹介は、求人サイトとは法律上の扱いが違い、手数料の上限や届け出の方法が決まっています。
「無料」の条件を確かめる
「無料で掲載できます」という案内でも、次のような条件がついていることがあります。
- 一定の期間が過ぎると有料のプランに自動で切り替わる
- 採用が決まったときや、応募者と面接したときに料金がかかる
- 無料の範囲は掲載だけで、応募の受付や連絡に費用がかかる
- 解約の手続きをしないと違約金がかかる
2025年4月からは、募集情報等提供事業者と職業紹介事業者に、利用料金と違約金(金額・発生する条件・解除の方法)をあらかじめ書面やメールなどで求人者に示す ことが義務づけられました。示された内容を読まずに申し込むと、後から請求を受けることがあります。
複数の事業者から請求されるトラブル
厚生労働省のリーフレット「求人者の皆さまへ」には、同じ人の採用について、複数の事業者から料金を請求されるトラブルの例が挙がっています。求人を複数の経路に出すときは、応募ごとに次のことを記録しておくと、請求の根拠を確かめられます。
| 記録すること | 例 |
|---|---|
| 採用の経路 | どのサイト・窓口から応募があったか |
| 経由した事業者 | どの事業者のサービスを通じたか |
| サービスを受けた日 | 応募を受け付けた日・情報を受け取った日 |
| 面接日・採用日 | 選考の日付 |
| 契約の内容 | 料金・違約金・有効期間 |
無料で出すときに確かめること
事業者の届出
求職者の情報を集めて求人の情報を届ける事業者(特定募集情報等提供事業者)は、厚生労働大臣への届出が必要です。届出をしている事業者は、厚生労働省の「人材サービス総合サイト」で検索できます。
掲載の中止と訂正
募集を終えたときや条件を変えたときは、速やかに掲載を止める・直すことが求人者の義務です(職業安定法第5条の4)。無料で掲載しているサイトでも、止め方・直し方を掲載の前に確かめておきます。事業者の側も、中止や訂正を頼まれた後に漫然と載せ続けると法令違反のおそれがあるとされています。
求職者への金銭の約束
2025年4月からは、求人サイトなどの事業者が、求職者に金銭などを提供して応募や就職を勧めることが原則として禁止されました。求人者の側でも、そうした宣伝をしている経路かどうかを、利用する前に確かめておくと安心です。
経路の組み合わせ方
介護の有効求人倍率は全職業の 3 倍以上と高く、1 つの経路だけで必要な人数が集まることは多くありません(介護の有効求人倍率の見方)。費用をかけない組み方の例です。
- ハローワークと福祉人材センターに、同じ条件の求人を出す
- 自社サイトに募集要項のページを作り、6 つの情報と労働条件をそろえる
- 無料で掲載できる求人サイトに、料金と違約金の条件を確かめてから載せる
- 応募の経路と日付を 1 つの表で記録する
条件を変えるときは、全ての掲載を同じ日に直します。経路によって条件が違ったままだと、的確な表示の義務に反するおそれがあるうえ、応募した人への説明も食い違います。
よくある質問
Q. ハローワークと福祉人材センターの両方に同じ求人を出してもよいですか。 出せます。どちらも無料で、採用が決まっても手数料はかかりません。条件を変えたときは、両方の求人を同じ日に直してください。
Q. 無料の求人サイトで採用した場合も、料金を請求されることはありますか。 サイトの利用規約で、採用や面接のときに料金がかかると決めている場合があります。2025年4月からは、事業者があらかじめ料金と違約金を示すことになっているので、申し込む前に示された書面やメールの内容を確かめてください。困ったときは、都道府県の労働局に相談できます。
Q. SNS に募集を載せるだけでも、労働条件を書く必要がありますか。 必要です。SNS の投稿も募集広告にあたり、募集主の名称・住所・連絡先・業務内容・就業場所・賃金の 6 つの情報を載せることが求められています。
出典・参考にした一次資料
Findcare求人は、医療・介護・福祉の事業所の求人を載せる求人サイトです。求人の掲載と応募の管理は無料です(期限はありません)。料金は、Findcare求人を通じて応募のあった方の採用が決まったときだけ発生します(料金について)。
事業所の求人を出す(無料)この記事は、公的な資料をもとにした一般的な解説です。制度・金額・日程は改定されることがあります。実際の手続きや個別の事情については、記事の出典の実施機関や、お住まいの都道府県・市区町村、ハローワーク、労働基準監督署などの窓口でお確かめください。