介護の有効求人倍率は何倍?2026年7月の最新値と都道府県の差の見方
2026年7月の介護サービスの職業の有効求人倍率は3.82倍で、全職業の1.05倍の3倍以上です。採用の計画に使うときは、季節調整値と原数値の違い、パートを含むかどうか、就業地別と受理地別の違いを押さえて読みます。
この記事の内容
厚生労働省の「一般職業紹介状況(令和8年7月分)」によると、介護サービスの職業の有効求人倍率は 3.82 倍 で、全職業の 1.05 倍(いずれもパートを含む常用・原数値)の 3 倍以上です。求職者 1 人に対して 3.8 件の求人がある計算で、ハローワークを通じた募集では、介護は全職業の中でも人が集まりにくい職業の一つです。
この記事では、最新の値を表にまとめたうえで、倍率の数字を採用の計画に使うときに取り違えやすい点(季節調整値と原数値、パートを含むかどうか、都道府県の差の見方)を整理します。数字は 2026年8月28日に公表された 7 月分です。8 月分は公表されしだい厚生労働省のページで確かめてください。
最新の値(令和8年7月分)
全体の値
| 指標 | 値 | 備考 |
|---|---|---|
| 有効求人倍率 | 1.18 倍 | 季節調整値。前月と同じ |
| 新規求人倍率 | 2.10 倍 | 季節調整値 |
| 正社員の有効求人倍率 | 1.00 倍 | 季節調整値 |
ニュースで「有効求人倍率は 1.18 倍」と報じられるのは、この季節調整値です。
職業別の値(常用・パートを含む・原数値)
| 職業 | 有効求人倍率 | 新規求人倍率 |
|---|---|---|
| 職業計 | 1.05 倍 | 2.04 倍 |
| 介護サービスの職業 | 3.82 倍 | 6.54 倍 |
| 社会福祉の専門的職業 | 2.43 倍 | 4.61 倍 |
介護サービスの職業の有効求人数は 202,170 人、有効求職者数は 52,900 人です。前の年の同じ月と比べると、有効求人倍率は 0.06 ポイント下がり、新規求人倍率は 0.04 ポイント上がりました。
パートを除く常用に限ると、介護サービスの職業は有効 3.47 倍・新規 5.65 倍、職業計は 1.16 倍です。フルタイムの求人に限っても、介護は全職業の 3 倍前後の水準です。
数字を読むときの 4 つの注意
1. 季節調整値と原数値
求人と求職の数は、年度の変わり目などに季節の波があります。全体の値は、この波をならした 季節調整値 で発表されます。一方、職業別の値は 原数値(季節の波をならしていない値)です。このため、「全体 1.18 倍」と「介護 3.82 倍」をそのまま割り算して比べると、物差しが違います。職業どうしを比べるときは、同じ表の「職業計」(7 月は 1.05 倍)と比べるのが正確です。
原数値は季節の影響を受けるので、介護の倍率の動きを見るときは、前の月ではなく 前の年の同じ月 と比べます。
2. パートを含むかどうか
参考統計表には「パートタイムを含む常用」と「パートタイムを除く常用」の両方があります。介護は短時間の求人が多い職業なので、どちらの値かで倍率が変わります(7 月は 3.82 倍と 3.47 倍)。常勤の採用の計画ならパートを除く値、登録型のヘルパーなど短時間の採用ならパートを含む値のほうが実態に近くなります。
3. 「介護サービスの職業」の範囲
職業の区分は、平成21年12月に改定された日本標準職業分類にもとづいています。「介護サービスの職業」は介護職員や訪問介護員などの職業で、生活相談員などの相談の職業は「社会福祉の専門的職業」に入ります。
厚生労働省の審議会の資料では「介護関係職種」という、いくつかの職業を束ねた倍率が使われることもあり、参考統計表の「介護サービスの職業」とは値が違うことがあります。出典を示すときは、どの区分の値かを書き添えます。
4. ハローワークの求人・求職だけの数字
有効求人倍率は、ハローワークに出された求人と、ハローワークに登録した求職者の数から計算した値です。求人サイトや自社サイトだけで募集している求人、ハローワークを使わずに仕事を探している人は数に入っていません。倍率は「その地域でどれくらい人が集まりにくいか」の目安であって、応募の数の予測には使えません。
都道府県の差の見方
全職業の値でも差は大きい
令和8年7月の都道府県別の有効求人倍率(全職業・季節調整値)は、次のとおりです。
| 集計のしかた | 最も高い | 最も低い |
|---|---|---|
| 就業地別 | 福井県・山梨県 1.69 倍 | 大阪府 0.95 倍 |
| 受理地別 | 東京都 1.69 倍 | 神奈川県 0.84 倍 |
就業地別と受理地別
- 受理地別:求人を受け付けたハローワークの所在地で数える。本社でまとめて求人を出すと、本社のある都道府県に数えられる
- 就業地別:実際に働く場所で数える
東京都は、本社が集まっているため受理地別で高く出ます。採用する事業所の地域の状況を見るなら、就業地別 の値のほうが実態に近くなります。
介護の都道府県別の値
介護サービスの職業の都道府県別の倍率は、全国の参考統計表には載っていません。各都道府県の労働局が毎月発表する「労働市場の動き」などの資料 に、職業別の値が載っている場合があります。載せ方や区分は労働局ごとに違うので、事業所がある都道府県の労働局の発表で確かめてください。ハローワークごと(市町村の単位)の値を出している労働局もあります。
採用の計画にどう使うか
募集の期間と経路を見積もる
有効求人倍率が高い地域・職業ほど、1 件の求人に集まる応募は少なくなります。介護の倍率は全職業の 3 倍以上なので、全職業向けの感覚で「1 か月で決まる」と見込むと、欠員の期間が延びがちです。倍率が高い地域では、次のように組み立てます。
- 募集を始める時期を早める(退職の申し出があってからでは間に合わないことがある)
- ハローワーク・福祉人材センター・求人サイト・自社サイトなど、経路を複数にする
- 夜勤の有無・短時間の勤務・資格の有無など、条件を分けた求人を出す
公的な窓口の使い方は 介護の求人を無料で掲載する方法 と 福祉人材センターへの求人登録 にまとめています。
新規求人倍率も見る
新規求人倍率(その月に新しく出た求人と求職の比)は、有効求人倍率より先に動く傾向があります。介護サービスの職業の新規求人倍率は 6.54 倍で、新しく仕事を探し始めた人 1 人に 6 件以上の新しい求人が出ている計算です。求職者は複数の事業所を同時に見ているので、応募から面接までの日数を短くすることも効きます。
賃金の水準と合わせて見る
倍率だけでなく、その地域の介護職員の賃金の水準と最低賃金も合わせて見ると、求人の条件が地域の中でどの位置にあるかが分かります。都道府県別 介護職員の給料と最低賃金 で、都道府県ごとの統計を確かめられます。
よくある質問
Q. ニュースの有効求人倍率と介護の倍率は、なぜ比べ方に注意が要るのですか。 ニュースの値は季節調整値、職業別の値は原数値で、計算のしかたが違うためです。介護の倍率と比べるときは、同じ表の「職業計」の値(令和8年7月は 1.05 倍)と比べます。
Q. 有効求人倍率はいつ発表されますか。 厚生労働省が「一般職業紹介状況」として毎月発表しています。おおむね翌月の末ごろに、前の月の値が公表されます。
Q. 自分の市町村の介護の倍率を知る方法はありますか。 全国の統計には市町村の値はありません。都道府県の労働局やハローワークが地域の値を公表している場合があるので、事業所を受け持つハローワークか労働局の発表を確かめてください。
出典・参考にした一次資料
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事業所の求人を出す(無料)この記事は、公的な資料をもとにした一般的な解説です。制度・金額・日程は改定されることがあります。実際の手続きや個別の事情については、記事の出典の実施機関や、お住まいの都道府県・市区町村、ハローワーク、労働基準監督署などの窓口でお確かめください。