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処遇改善加算は求人票にどう書く?手当・基本給・一時金の書き分け

処遇改善加算の配り方は基本給・毎月の手当・一時金の3つで、求人票ではそれぞれ書く欄と書き方が違います。一時金や見込み額を月給に混ぜて大きく見せる書き方は、職業安定法の「誤解を生じさせる表示」に当たるおそれがあります。

公開: Findcare求人 編集部

この記事の内容

処遇改善加算を原資にした賃金の上乗せは、基本給に組み込む・毎月決まって払う手当にする・一時金(賞与など)で払う の 3 つの形があり、求人票ではそれぞれ書き方が違います。基本給と毎月の手当は「月給」の内訳に書けますが、一時金は月給に混ぜず、賞与や一時金の欄に分けて書きます。

一時金や見込み額を月給に足して高く見せる書き方は、職業安定法第5条の4が禁じる「誤解を生じさせる表示」に当たるおそれがあります。この記事では、加算の配り方ごとの書き方と、見込み額を書くときの注意をまとめます。

まず押さえる加算のしくみ(2026年度)

介護職員等処遇改善加算は、事業所が受け取る加算の額に相当する分を、職員の賃金の改善に充てなければならない加算です。厚生労働省の通知(令和8年度)では、賃金の改善は 基本給・手当・賞与等(退職手当を除く) のうち対象にする項目を特定して行い、安定した処遇改善のために基本給による改善が望ましいとしています。

2026年6月からは加算が拡充され、次の点が変わりました。

  • 対象が 介護職員だけでなく、介護に従事する職員全体 に広がり、加算率が引き上げられた
  • 生産性の向上や協働化に取り組む事業所向けに、上乗せの区分(加算Ⅰロ・Ⅱロ)が設けられた
  • これまで対象外だった 訪問看護・訪問リハビリテーション・居宅介護支援など に加算が新設された

加算の中の配分は、事業所の判断で柔軟に決められます。ただし、一部の職員や一部の事業所だけに集中させるなど、職務や勤務の実態に見合わない著しく偏った配分はしないこととされています。

月額賃金の改善の要件

どの区分を取る場合も、加算Ⅳで見込まれる額の 2 分の 1 以上を、基本給または決まって毎月支払われる手当の改善に充てる ことが要件です(月額賃金改善要件)。つまり、加算の少なくとも一部は毎月の給料に入っているはずで、求人票の月給の内訳に書ける部分があります。

障害福祉サービスにも「福祉・介護職員等処遇改善加算」があります。要件は障害福祉の通知で別に定められているので、そちらで確かめてください。

配り方ごとの求人票の書き方

配り方求人票のどこに書くか書き方の例
基本給に組み込む基本給基本給 200,000円(処遇改善分を含む)
毎月決まって払う手当月給の内訳の手当処遇改善手当 15,000円(毎月定額)
実績で毎月変わる手当手当の欄。額は実績として処遇改善手当 月 8,000〜12,000円(前年度実績。毎月の加算額により変動)
一時金(年に数回)賞与・一時金の欄処遇改善一時金 年 2 回(前年度実績 計 60,000円)

基本給・毎月の定額の手当

毎月必ず払う額は、月給の内訳にそのまま書けます。「月給 23万円(基本給 20万円+処遇改善手当 1.5万円+資格手当 1.5万円)」のように、合計と内訳を両方 書くと、応募する人が比べやすくなります。

実績で変わる手当と一時金

加算の額は、サービスの提供の量や利用者の数によって毎月変わります。これに合わせて手当の額が変わる形や、年度末に差額を一時金で精算する形は、確定した額ではない ことが分かるように書きます。「前年度実績」「〇年〇月時点」など時点を添え、額が変わりうることも書き添えます。

見込み額・モデル賃金を書くときの注意

職業安定法の「的確な表示」

職業安定法第5条の4は、求人の情報について 虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしてはならない と定めています。厚生労働省の Q&A は、虚偽でなくても一般的・客観的に誤解を生じさせる表示はこれに当たるとし、例として次のようなものを挙げています。

  • 社内で給与の高い人の基本給を例に挙げ、全員の基本給であるかのように表示する
  • 固定残業代について、何時間分かを示さずに基本給に含めて表示する

「モデル収入例」を併記することや、「〇万円〜〇万円」のように幅を持たせて書くこと自体は認められています。一方で、モデル収入例を必ず払われる基本給のように見せる、幅の上限を実際より高い額が払われうるように見せる と、誤解を生じさせる表示に当たるとされています。

処遇改善でやりがちな書き方

誤解を招きやすい書き方直した書き方
月給 26万円〜(一時金を 12 で割って月給に足している)月給 23万円〜。別に処遇改善一時金 年 2 回(前年度実績 計 36万円)
処遇改善で月 1.9万円アップ処遇改善手当 月 1.2万円(2026年6月から。加算の額により変動することがあります)
年収 400万円以上可モデル年収 400万円(勤続 10 年・介護福祉士・夜勤 月 4 回の職員の前年度実績)

2026年6月の拡充について、国は「介護従事者に月 1.0万円、上乗せの区分では介護職員に月 0.7万円」などの賃上げを見込んだ措置と説明しています。これは制度全体の考え方で、その事業所で一人ひとりに払う額ではありません。求人票には、自分の事業所で実際に決めた配分の額を書きます。

加算の区分が変わる可能性

加算の区分は、要件を満たしているかどうかで変わります。上位の区分を前提にした額を書くときは、その区分を取っていること(または取る予定であること)を確かめてから載せ、区分が変わったら求人票も直します。求人を出す側には、求人の情報を正確で最新の状態に保つ義務があります(職業安定法第5条の4第2項)。

最低賃金との関係

最低賃金と比べるときは、毎月決まって払われる処遇改善の手当は計算に入り、年に数回まとめて払う一時金は入りません。一時金を多くして月給を低く抑えている場合、最低賃金の改定で月給のほうが下回ることがあります。確かめ方は 最低賃金の改定に合わせた求人票の見直し と 最低賃金の都道府県別の発効日一覧 をご覧ください。

職員への周知と、求人票の整合

処遇改善加算を取っている事業所は、賃金の改善の方法を処遇改善計画書などで職員に周知し、就業規則などの内容も周知するよう努めることとされています。上位の区分では、昇給の仕組みや賃金体系を書面で整え、全ての介護職員に周知することが要件になっています。

求人票に書いた手当の名前や額が、就業規則や給与規程、職員に周知している内容と食い違っていると、入職後の説明とずれが生じます。掲載する前に、給与規程と求人票の手当の名前・額・払う時期をそろえておくと安心です。

よくある質問

Q. 「処遇改善手当」という名前で書かないといけませんか。 名前の決まりはありません。「特定処遇手当」「介護職員手当」など、給与規程にある名前で書き、毎月の定額か、実績で変わるかが分かるようにします。

Q. 介護職員以外の職種の求人にも処遇改善の手当を書いてよいですか。 2026年6月からは加算の対象が介護に従事する職員全体に広がっています。実際にその職種にも配分しているなら書けます。配分していない職種の求人に書くと、誤解を生じさせる表示になります。

Q. 見込み額を書いて、実際にそれより少なかったら違反になりますか。 見込みであること・根拠(前年度実績など)・変動しうることを示したうえで、その時点で正確な情報を書いていれば、ただちに違反になるわけではないと考えられます。ただし、根拠のない額や、変わったのに直さない額を載せ続けることは避けてください。個別の判断は、管轄の労働局に相談できます。

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この記事は、公的な資料をもとにした一般的な解説です。制度・金額・日程は改定されることがあります。実際の手続きや個別の事情については、記事の出典の実施機関や、お住まいの都道府県・市区町村、ハローワーク、労働基準監督署などの窓口でお確かめください。