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介護の求人票の書き方|必須項目11と2024年4月に増えた3項目

介護の求人票に必ず書く労働条件は、職業安定法施行規則で決まっている11項目です。2024年4月から「業務と就業場所の変更の範囲」「有期契約の更新上限」が加わりました。介護の事業所に当てはめた書き方の例と、明示のタイミングをまとめます。

公開: Findcare求人 編集部

この記事の内容

介護の求人票に必ず書かなければならない労働条件は、職業安定法施行規則第4条の2第3項で 11 項目 に決まっています。このうち 「従事すべき業務の変更の範囲」「就業場所の変更の範囲」「有期労働契約を更新する場合の基準(更新上限を含む)」の 3 つは、2024年4月1日から加わった項目 です。

ハローワークへの求人申込み、自社のホームページの募集要項、求人サイトへの掲載のどれでも、少なくともこの 11 項目を書く必要があります。この記事では、項目ごとに介護の事業所での書き方の例を示し、書き漏れが出やすいところと、明示のタイミングのきまりをまとめます。

求人票に必ず書く 11 項目の一覧

職業安定法第5条の3は、労働者を募集する人に、業務の内容・賃金・労働時間などの労働条件を明示することを義務づけています。明示しなければならない事項は、同法施行規則第4条の2第3項に並んでいます。介護の事業所の例に置き換えると次のとおりです。

#項目介護の事業所での書き方の例
1業務の内容(変更の範囲を含む)(雇入れ直後)特別養護老人ホームでの介護業務 (変更の範囲)法人が運営する介護事業所での介護業務
2契約期間期間の定めなし/期間の定めあり(2026年11月1日〜2027年3月31日)
3試用期間あり(3か月。期間中の条件は本採用と同じ)
4有期契約の更新の基準(更新上限を含む)契約の更新:有(契約期間満了時の業務量・勤務成績により判断) 更新上限:通算契約期間 5 年
5就業場所(変更の範囲を含む)(雇入れ直後)〇〇デイサービスセンター(〇〇市) (変更の範囲)〇〇県内の法人の事業所
6始業・終業の時刻、時間外労働の有無、休憩、休日早番 7:00〜16:00/日勤 8:30〜17:30/遅番 10:30〜19:30、休憩 60 分、時間外あり(月平均 5 時間)、4 週 8 休(シフト制)
7賃金の額月給 〇〇円〜〇〇円(内訳は後述)
8加入する保険雇用保険・労災保険・健康保険・厚生年金
9募集する人の氏名または名称社会福祉法人〇〇会
10派遣労働者として雇う場合はその旨派遣で雇う場合だけ「雇用形態:派遣労働者」と書く
11受動喫煙を防ぐための措置屋内禁煙

10 番は派遣の場合だけ、4 番は有期契約で更新がありうる場合だけにかかる項目です。直接雇用の正職員の求人であれば、実際に書くのは 9 項目です。

2024年4月に加わった 3 項目の書き方

業務と就業場所の「変更の範囲」

「変更の範囲」は、雇い入れた直後の業務・場所だけでなく、将来の配置転換などの見込みも含めた、契約期間中に変わりうる範囲 のことです(厚生労働省のリーフレットによる)。

複数の事業所を持つ法人では、ここが書き漏れやすいところです。たとえば、特養で採用した人を、将来、同じ法人のデイサービスやグループホームに異動させる可能性があるなら、「(変更の範囲)法人の運営する介護事業所」のように書きます。反対に、異動を予定していない求人なら「(変更の範囲)変更なし」と書けます。

訪問介護では、就業場所が利用者の居宅になります。事業所の所在地を書いたうえで、「利用者の居宅(〇〇市内とその周辺)」のように、実際に回る範囲がわかる書き方にします。

有期契約の更新の基準と上限

パート・契約職員などの有期契約で更新がありうる場合は、更新するかどうかの判断の基準 と、通算契約期間または更新回数の上限 を書きます。厚生労働省は、「諸般の事情を総合的に考慮して判断」のような抽象的な書き方ではなく、「勤務成績、態度により判断する」「会社の経営状況により判断する」など具体的に書くことが望ましいとしています。上限を設けていない場合は「更新上限:なし」と書きます。

書き漏れやすいところ

試用期間中に条件が変わる場合

試用期間中の賃金や業務が本採用の後と違う場合は、試用期間中と試用期間後の両方の条件 を書く必要があります(施行規則第4条の2第6項)。「月給 22万円(試用期間中は月給 20万円)」のように並べます。

固定残業代がある場合

時間外労働の有無にかかわらず一定額を払う手当(いわゆる固定残業代)を設けている場合、厚生労働省のリーフレットは、次の 3 点をそろえて書く形を示しています。

  1. 基本給 〇〇円(2 の手当を除いた額)
  2. 〇〇手当(時間外労働の有無にかかわらず、〇時間分の時間外手当として〇〇円を支給)
  3. 〇時間を超える時間外労働分の割増賃金は追加で支給

基本給に含めて「月給 25万円(固定残業代含む)」とだけ書くのは、誤解を生じさせる表示の例として厚生労働省の Q&A に挙がっています。

賃金の欄に何を入れるか

施行規則で明示が求められる「賃金の額」からは、臨時に支払われる賃金と賞与などが除かれています。ただ、介護の求人では処遇改善加算による手当や一時金がからみ、書き方で誤解が生まれやすいところです。手当・基本給・一時金の書き分けは 処遇改善加算は求人票にどう書くか にまとめています。

夜勤・シフトの時間

夜勤がある求人は、夜勤の始業・終業の時刻と休憩時間も書きます。「シフト制」とだけ書かず、勤務の種類ごとの時刻を並べます。夜勤専従の組み方は 夜勤専従の募集と求人票の書き方 をご覧ください。

明示のタイミングと、その後の変更

原則は「最初に接触する時点」まで

求人広告の枠が足りないなど、やむを得ない場合は「詳細は面談時にお伝えします」と添えて一部を後で示すこともできます。その場合も、原則として面接など求職者と最初に接触する時点までに、全ての労働条件を明示する 必要があります。

面接の途中で条件が変わるとき

最初に示した条件を、選考の途中で変える・特定する・削る・加える場合は、その内容を明示しなければなりません(職業安定法第5条の3第3項、施行規則第4条の2第1項・第2項)。たとえば「月給 20万〜25万円」と示していた人に 21万円で内定を出すときは、何が特定されたかを示します。変更点を示すためにも、最初に明示した労働条件の記録は、その募集が終わる日(その後に契約を結ぶ場合は契約を結ぶ日)まで保存します(施行規則第4条の2第7項)。

雇い入れるとき

労働契約を結ぶときは、労働基準法にもとづく労働条件通知書などで、あらためて労働条件を明示します。こちらも 2024年4月から、同じように変更の範囲と更新上限が加わっています。

募集広告そのものに書く 6 つの情報

求人サイト・SNS・チラシなどの募集広告では、厚生労働省は 募集主の氏名(名称)・住所・連絡先・業務内容・就業場所・賃金 の 6 つを広告の中に必ず表示するよう求めています。自社サイトの募集要項へのリンクだけを載せる形は、6 つの情報を広告自体に書く必要があるとされています。連絡先は、電話番号・メールアドレス・自社サイトの問い合わせフォームへのリンクのいずれかで、SNS のメッセージ機能だけでは足りないとされています。

また、2022年10月からは、募集を終えた・内容を変えたときに、速やかに掲載を止める・直すことが求人を出す側の義務になっています(職業安定法第5条の4)。求人サイトに載せている場合は、サイトの運営者に反映を依頼します。いつの時点の情報かを明らかにしておくことも求められています。

掲載前の見直し表

確かめること見る場所
業務と就業場所に「変更の範囲」を書いたか1・5
有期契約なら更新の基準と上限を書いたか4
試用期間中に条件が変わるなら両方を書いたか3・7
固定残業代があるなら 3 点をそろえたか7
勤務の種類ごとの時刻と休憩を書いたか6
加入する保険を書いたか8
受動喫煙の措置を書いたか11
最低賃金を下回っていないか(発効日の後も)7

最低賃金の確かめ方と、発効日をまたいで掲載するときの注意は 最低賃金の改定に合わせた求人票の見直し にまとめています。

よくある質問

Q. 求人サイトの入力欄に「変更の範囲」の欄がありません。どうすればよいですか。 仕事内容や勤務地の自由記入の欄に、「(雇入れ直後)〇〇(変更の範囲)〇〇」の形で書き足します。欄の有無にかかわらず、明示の義務は求人を出す事業所にあります。

Q. 異動の予定がまったく無い場合も「変更の範囲」を書く必要がありますか。 書く必要があります。その場合は「(変更の範囲)変更なし」と書きます。

Q. 11 項目を全部書けば、そのまま労働条件通知書として使えますか。 使えません。雇い入れるときは、労働基準法にもとづく労働条件通知書などで、あらためて書面などにより明示します。求人票の段階で示した条件と違う点があれば、その点も示します。判断に迷う場合は、管轄のハローワークや労働基準監督署に相談できます。

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この記事は、公的な資料をもとにした一般的な解説です。制度・金額・日程は改定されることがあります。実際の手続きや個別の事情については、記事の出典の実施機関や、お住まいの都道府県・市区町村、ハローワーク、労働基準監督署などの窓口でお確かめください。