介護の夜勤手当の相場は?施設の種類ごとの夜勤の実態と求人票の読み方
介護の夜勤手当の額を施設の種類別にまとめた国の統計は、確かめた範囲では見当たりません。代わりに、夜勤がある人の割合・回数・夜勤の人数を施設の種類別に示し、深夜割増の最低額の計算と求人票の読み方をまとめました。
介護の夜勤手当の額を、特養・老健・グループホームなど施設の種類ごとにまとめた国の統計は、確かめた範囲では見当たりません。夜勤手当は事業所が独自に決める手当で、公的な調査では基本給や他の手当と合わせて集計されているためです。
一方で、法律で必ず払うことになっている**深夜の割増(午後10時〜午前5時、25%以上)**の最低額は、時間あたりの賃金から計算できます。この記事では、統計で分かる夜勤の実態を施設の種類ごとに並べ、求人票の夜勤手当を読むときの確かめ方をまとめます。
統計で分かること・分からないこと
| 調査 | 夜勤に関して分かること | 夜勤手当の額 |
|---|---|---|
| 賃金構造基本統計調査(令和7年) | 「きまって支給する給与」と「所定内給与」の差(残業代・深夜手当など) | 分からない(残業代などと合算) |
| 介護従事者処遇状況等調査(令和6年度) | 手当の合計(夜勤手当・資格手当・処遇改善の手当などの合計) | 分からない(手当の合計のみ) |
| 介護労働実態調査(令和7年度) | 深夜勤務の有無・回数・人数・仮眠の状況 | 調べていない |
賃金構造基本統計調査では、所定内給与から除かれる「超過労働給与額」を、時間外勤務手当・深夜勤務手当・休日出勤手当・宿日直手当・交替手当として支給されるものと定めています。介護職員の「きまって支給する給与」は 277,700円、所定内給与は 262,900円で、この差の 14,800円が1か月の超過労働給与の平均です。残業代も入っているため、夜勤手当の額そのものではありません。
処遇状況等調査では、介護職員(月給・常勤)の手当の合計は月 97,980円です。夜勤手当のほか、資格手当や処遇改善の手当なども含む額です。
施設の種類ごとの夜勤の実態
介護労働実態調査(令和7年度、介護の仕事をする人への調査)で、勤め先の種類ごとに「深夜勤務がある」と答えた人の割合と、深夜勤務のときに職員1人が受け持つ入居者の数です。
| 勤め先の種類 | 深夜勤務がある人 | 深夜の職員1人あたりの入居者数 |
|---|---|---|
| 施設系(入所型) | 66.3% | 平均19.3人 |
| 居住系 | 67.7% | 平均11.1人 |
| 訪問系 | 13.4% | — |
| 施設系(通所型) | 5.9% | — |
| 居宅介護支援 | 1.8% | — |
| 全体 | 24.8% | 平均15.9人 |
深夜勤務がある人の1か月の平均回数は 5.3回で、「5〜6回」が 37.8%ともっとも多くなっています。深夜勤務のときの職員数は「1人」が 51.7%、「2人」が 24.4%です。仮眠・休憩は「十分とれる」が 16.3%、「ある程度とれる」が 50.8%、「とれない」が 25.2%でした。
勤め先の種類は調査の区分で、この調査では施設の名前ごとの値は出ていません。深夜の職員1人が受け持つ入居者の数は、入所型が居住系の2倍近くです。夜勤手当の額が同じでも、負担の中身は施設の種類で違います。
夜勤手当と深夜の割増は別のもの
夜勤に関わる支払いは、次の2つに分けて考えると整理できます。
- 深夜の割増:午後10時から午前5時までに働いた時間に対し、通常の時間あたりの賃金の25%以上を上乗せするもので、労働基準法第37条第4項で支払いが決まっています
- 夜勤手当:夜勤1回ごとに定額で払うなど、事業所が給与規程で決める手当です。名前や額、深夜の割増を含めるかどうかは事業所によって違います
求人票に「夜勤手当 1回 ○円」とあるときは、その額が深夜の割増を含むのか、深夜の割増とは別に払われるのかで、実際に受け取る額が変わります。
深夜の割増の最低額
深夜の割増の最低額は「時間あたりの賃金 × 25% × 深夜に働いた時間」です。1回の夜勤で深夜の時間帯に6時間または7時間働く場合の最低額は次のとおりです。
| 時間あたりの賃金 | 深夜6時間の場合 | 深夜7時間の場合 |
|---|---|---|
| 1,200円 | 1,800円 | 2,100円 |
| 1,400円 | 2,100円 | 2,450円 |
| 1,600円 | 2,400円 | 2,800円 |
月給の人の時間あたりの賃金は、月給を1か月の平均の所定労働時間で割って出します。このとき、家族手当・通勤手当などは計算に入れません(同法第37条第5項)。たとえば、割増の計算に入る月給が24万円で、1か月の平均の所定労働時間が160時間なら、時間あたり 1,500円です。
求人票で夜勤手当を読むときに確かめること
- 1回あたりの額と、深夜の割増を含むかどうか:「夜勤手当(深夜割増を含む)」か「夜勤手当+深夜割増」かで違います
- 拘束時間と休憩・仮眠:2交代制は1回が長く、3交代制は短くなります。仮眠が休憩か、呼ばれたら対応する待機かも確かめます
- 月の回数の目安:月給に夜勤手当を含めて書いている求人票では、何回分で計算した額かを確かめます
- 夜勤の人数:1人夜勤か複数かで、休憩のとりやすさが変わります
- 夜勤をしない場合の月給:夜勤手当を除いた額が分かると、ほかの求人と比べやすくなります
夜勤専従として月に何回も入る場合の手取りの計算は夜勤専従の介護職の手取りで扱っています。介護職の給料の平均全体は介護職の給料の平均にまとめています。
よくある質問
Q. 夜勤手当が無い求人は、法律に反していますか。 「夜勤手当」という名前の手当は法律で決まったものではありません。ただし、午後10時から午前5時までに働いた時間の深夜の割増は必ず払う必要があります。給与明細で深夜の割増が払われているか分からないときは、勤め先に確認するか、労働基準監督署に相談できます。
Q. 施設の種類で夜勤手当の額は違いますか。 施設の種類ごとの夜勤手当の額を示す国の統計は見当たりませんでした。統計で分かるのは、入所型と居住系で夜勤のある人の割合が6割台と高いこと、受け持つ入居者の数が入所型で多いことです。額は求人票と給与規程で確かめる必要があります。
Q. パートの夜勤でも深夜の割増は付きますか。 付きます。深夜の割増は雇用の形に関係なく、午後10時から午前5時までに働いたすべての労働者に払われます。
出典・参考にした一次資料
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介護職/ヘルパーの求人を見るこの記事は、公的な資料をもとにした一般的な解説です。制度・金額・日程は改定されることがあります。実際の手続きや個別の事情については、記事の出典の実施機関や、お住まいの都道府県・市区町村、ハローワーク、労働基準監督署などの窓口でお確かめください。