夜勤専従の介護職の手取りはいくら?1回の単価と月の回数で計算する
夜勤専従の手取りは「1回の賃金×月の回数」から社会保険料と税を引いて出します。時給1,300円・実働15時間の例では1回21,450円、月10回で総支給214,500円、社会保険に入る場合の手取りは約17万円です。
夜勤専従の手取りは、1回の夜勤の賃金 × 月の回数で総支給を出し、そこから社会保険料と税を引いて求めます。時給1,300円・実働15時間(うち深夜6時間)の例では1回 21,450円、月10回で総支給 214,500円、社会保険に入る場合の手取りは約17万円です。
夜勤専従は勤務日数が少ないため、社会保険に入るかどうかで手取りが大きく変わります。この記事では、1回の賃金の計算、月の回数の上限の考え方、手取りの計算例を順に示します。
1回の夜勤の賃金の計算
夜勤の賃金は、働いた時間分の賃金に、**午後10時から午前5時までの深夜の時間の割増(25%以上)**を足したものです(労働基準法第37条第4項)。深夜の割増は、夜勤手当という名前の手当があってもなくても、深夜に働いた時間に対して必ず支払われるものです。
例として、16時30分から翌9時30分までの17時間拘束、休憩2時間(うち1時間は深夜の時間帯)の夜勤で計算します。実働は15時間、深夜に働く時間は6時間です。
| 項目 | 計算 | 額 |
|---|---|---|
| 働いた時間分の賃金 | 1,300円 × 15時間 | 19,500円 |
| 深夜の割増 | 1,300円 × 25% × 6時間 | 1,950円 |
| 1回の夜勤の賃金 | 21,450円 |
労働時間が8時間を超える場合は、休憩を少なくとも1時間とることが決まっています(同法第34条)。仮眠の時間が休憩として扱われるか、呼ばれたらすぐ対応する待機(労働時間)として扱われるかで、賃金の対象になる時間が変わります。
1回の定額で書かれている場合
求人票で「夜勤1回 ○円」と定額で書かれている場合は、その額に深夜の割増が含まれているかを確かめます。含まれているなら、次の式で時間あたりの額の目安を逆算できます。
1回の定額 ÷(実働時間 + 深夜の時間 × 0.25)= 時間あたりの額の目安
| 1回の定額 | 実働15時間・深夜6時間のときの時間あたりの額 |
|---|---|
| 18,000円 | 約1,091円 |
| 22,000円 | 約1,333円 |
| 25,000円 | 約1,515円 |
この時間あたりの額は、働く都道府県の最低賃金を下回ってはいけません。最低賃金は都道府県ごとに発効日が違うので、最低賃金はいつから上がる?で確かめてください。
月に何回まで入れるか
夜勤専従では、1日の労働時間が8時間を超えるため、多くの事業所が1か月単位の変形労働時間制を使います。1か月を平均して週40時間以内に収まるように勤務を組めば、8時間を超える日があっても、その日の超えた分がすぐ時間外労働になるわけではありません(同法第32条の2)。
1か月の枠は「40時間 × その月の日数 ÷ 7」で、30日の月は約171.4時間、31日の月は約177.1時間です。
| 月の回数 | 実働の合計(15時間の例) | 30日の月の枠 | 31日の月の枠 |
|---|---|---|---|
| 8回 | 120時間 | 枠内 | 枠内 |
| 10回 | 150時間 | 枠内 | 枠内 |
| 11回 | 165時間 | 枠内 | 枠内 |
| 12回 | 180時間 | 超える | 超える |
枠を超えた時間は時間外労働になり、25%以上の割増が必要です。深夜の時間と重なれば、深夜の割増と合わせて50%以上になります。変形労働時間制を使っていない事業所では、1日8時間を超えた時間が時間外労働です。
介護労働実態調査(令和7年度)では、深夜勤務がある人の1か月の平均回数は 5.3回で、「5〜6回」が 37.8%ともっとも多く、9回以上は 6.2%です。夜勤専従で月10回前後入る働き方は、夜勤のある人全体の中では少数です。
手取りの計算例
社会保険に入る場合
前提:東京都の事業所・協会けんぽ・39歳以下・扶養なし・通勤手当なし・前年も同じ収入。住民税は所得割10%と均等割などから出した概算で、調整控除などは入れていません。
| 月の回数 | 8回 | 10回 | 11回 |
|---|---|---|---|
| 総支給 | 171,600円 | 214,500円 | 235,950円 |
| 標準報酬月額 | 17万円 | 22万円 | 24万円 |
| 社会保険料の合計 | 24,980円 | 32,290円 | 35,236円 |
| 所得税 | 2,220円 | 3,700円 | 4,340円 |
| 住民税を引く前の手取り | 144,400円 | 178,510円 | 196,374円 |
| 住民税(概算) | 約5,700円 | 約8,000円 | 約9,200円 |
| 住民税を引いた手取り | 約13.9万円 | 約17.1万円 | 約18.7万円 |
社会保険料は、健康保険(4.925%)・子ども・子育て支援金(0.115%)・厚生年金(9.15%)を標準報酬月額に、雇用保険(0.5%)を総支給にかけた本人負担分です。40歳以上は介護保険料(0.81%)が加わります。
社会保険に入らない場合
フルタイムの人と比べて、1週の労働時間と1か月の労働日数の両方が4分の3以上あれば、社会保険(健康保険・厚生年金)の対象です。夜勤専従は1回が長く日数が少ないため、日数の条件を満たさないことがあります。その場合は、週20時間以上などパート向けの要件と、勤め先の規模で対象かどうかが決まります。
社会保険に入らない場合、月10回の例では雇用保険料 1,072円と所得税 4,840円を引いて 208,588円になります。ここから、自分で加入する国民健康保険料と国民年金保険料、住民税を払うことになるため、手取りが多く見えても実際に使える額は上の表と大きく変わらないことがあります。自分が対象かどうかは、勤め先と日本年金機構の案内で確かめられます。
夜勤専従の求人票で確かめること
- 1回の額に深夜の割増が含まれるか、別に払われるか
- 拘束時間・休憩時間・仮眠の扱い(休憩か待機か)
- 変形労働時間制の有無と、月の回数の目安・上限
- 社会保険・雇用保険に加入するかどうか
- 夜勤の人数(1人夜勤か、複数か)
夜勤手当の額の目安や、施設の種類ごとの夜勤の実態は介護の夜勤手当の相場にまとめています。事業所が夜勤専従を募集するときの書き方は夜勤専従の募集で扱っています。
よくある質問
Q. 夜勤専従でも年次有給休暇はありますか。 6か月続けて勤め、決められた労働日の8割以上出勤すれば、年次有給休暇が付きます(労働基準法第39条)。週の労働日数が少ない人には、日数に応じた日数が付きます。何日付くかは勤め先の就業規則と労働条件通知書で確かめられます。
Q. 深夜の割増が払われていないかもしれないときは、どこに相談できますか。 給与明細と労働条件通知書で、深夜の時間と割増の額を確かめたうえで、勤め先に確認するか、事業所を受け持つ労働基準監督署に相談できます。
出典・参考にした一次資料
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介護職/ヘルパーの求人を見るこの記事は、公的な資料をもとにした一般的な解説です。制度・金額・日程は改定されることがあります。実際の手続きや個別の事情については、記事の出典の実施機関や、お住まいの都道府県・市区町村、ハローワーク、労働基準監督署などの窓口でお確かめください。