介護職のボーナスの平均は?年間賞与を職種・経験年数・都道府県で比べる
令和7年賃金構造基本統計調査では、介護職員の年間賞与の平均は547,800円で、所定内給与の約2.1か月分です。職種・経験年数・企業規模・都道府県ごとの差と、求人票の「賞与○か月」の読み方をまとめました。
介護職員のボーナス(年間賞与)の平均は、厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」で 547,800円です。所定内給与(基本給と毎月の手当)の平均 262,900円の 約2.1か月分にあたります。
同じ介護の仕事でも、訪問介護従事者は 439,700円(約1.6か月分)と低く、ケアマネジャーや相談員は70万円台です。経験年数・企業規模・都道府県でも差があります。この記事では、統計の数字を切り口ごとに並べ、求人票の賞与の書き方を読むときの注意点をまとめます。
統計の「年間賞与」とは
賃金構造基本統計調査の年間賞与は、調査の前の年の1年間(令和7年調査では2024年1〜12月)に支払われた賞与・期末手当などの特別給与の合計です。月給は2025年6月分、賞与は2024年分と、対象の時期がずれています。
また、前の年の途中で入職した人も含まれるため、入職1年目の人の値は低く出ます。「○か月分」は、この記事では年間賞与を2025年6月の所定内給与で割った目安で、事業所の給与規程でいう「基本給の○か月分」とは計算のもとが違います。
職種ごとの年間賞与
令和7年賃金構造基本統計調査(企業規模10人以上・一般労働者・男女計)の職種別の値です。
| 職種 | 年間賞与 | 所定内給与(月) | 所定内給与の何か月分か |
|---|---|---|---|
| 介護職員 | 547,800円 | 262,900円 | 約2.08か月 |
| 訪問介護従事者 | 439,700円 | 267,300円 | 約1.64か月 |
| 介護支援専門員(ケアマネジャー) | 704,200円 | 298,800円 | 約2.36か月 |
| 相談員・支援員など(その他の社会福祉専門職業従事者) | 765,000円 | 292,000円 | 約2.62か月 |
| 看護助手 | 481,200円 | 224,200円 | 約2.15か月 |
| 看護師 | 856,400円 | 333,200円 | 約2.57か月 |
訪問介護従事者は、月の所定内給与は介護職員とほぼ同じですが、賞与は約11万円少なくなっています。職種ごとの平均で見ると、相談員やケアマネジャーは介護職員より額も月数も多くなっています。
経験年数ごとの年間賞与
経験年数(その職種についてからの年数)ごとの年間賞与です。
| 経験年数 | 介護職員 | 訪問介護従事者 |
|---|---|---|
| 0年 | 55,400円 | 76,900円 |
| 1〜4年 | 417,500円 | 394,100円 |
| 5〜9年 | 524,600円 | 424,100円 |
| 10〜14年 | 600,000円 | 444,000円 |
| 15年以上 | 700,900円 | 517,300円 |
0年の値が低いのは、賞与が前の年1年間の支給額で、前の年に在籍していなかった人や在籍期間が短かった人が含まれるためです。介護職員は経験を重ねるほど賞与も増え、15年以上では1〜4年より約28万円多くなります。訪問介護従事者は増え方がゆるやかです。
企業規模ごとの年間賞与
企業全体の常用労働者の数で分けた値です。
| 企業規模 | 介護職員 | 訪問介護従事者 | 相談員・支援員など |
|---|---|---|---|
| 1,000人以上 | 498,800円 | 369,400円 | 756,700円 |
| 100〜999人 | 600,100円 | 493,400円 | 793,600円 |
| 10〜99人 | 484,100円 | 442,400円 | 729,300円 |
どの職種でも、100〜999人の企業がいちばん高くなっています。「大きな法人ほど賞与が多い」とは限らないことが分かります。なお、この調査は経営主体(社会福祉法人・医療法人・株式会社など)ごとの賞与を出していません。
都道府県ごとの差
介護職員の年間賞与を都道府県ごとに並べると、高いほうと低いほうで2倍以上の差があります。
| 高い5県 | 年間賞与 | 低い5県 | 年間賞与 |
|---|---|---|---|
| 愛知県 | 783,200円 | 熊本県 | 378,900円 |
| 山口県 | 757,200円 | 岩手県 | 377,100円 |
| 富山県 | 735,100円 | 高知県 | 336,000円 |
| 山形県 | 706,500円 | 沖縄県 | 313,900円 |
| 長野県 | 654,400円 | 山梨県 | 289,800円 |
都道府県別の値は、調査の対象になった事業所の数が全国より少ないため、年によって順位が入れ替わることがあります。月給と合わせた自分の県の値は都道府県別 介護職員の給料と最低賃金で確かめられます。
処遇改善加算と賞与
処遇改善加算は、基本給や毎月の手当だけでなく、賞与(一時金)として配ることもできます。厚生労働省の「令和6年度介護従事者処遇状況等調査」では、加算を取る事業所の介護職員(月給・常勤)の平均給与額 338,200円のうち、一時金は 47,560円でした。これは2024年4〜9月の半年に支給された一時金の6分の1で、半年分に直すと約28.5万円です。
同じ調査で、賃金改善の方法として「賞与等(一時金を含む)の支給金額の引き上げ又は新設」をあげた事業所は 33.1%でした(複数回答)。処遇改善の分が毎月の給与と賞与のどちらに入るかは事業所によって違うため、求人票や給与規程で確かめる必要があります。配り方の書き方は処遇改善加算は求人票にどう書く?で扱っています。
求人票の「賞与」を読むときに確かめること
- 何の何か月分か:「基本給の2か月分」と「月給の2か月分」では、手当の分だけ額が変わります
- 前年の実績か、約束か:「賞与 年2回・計○か月(前年度実績)」と書かれている場合は過去の実績で、毎年同じ額が決まっているわけではありません
- 入職1年目の扱い:算定期間に在籍していないと、最初の賞与は少なくなることがあります
- 処遇改善の一時金が別にあるか:賞与とは別に、処遇改善の一時金を年1〜2回払う事業所もあります
労働基準法では、賞与などの臨時の賃金を定める場合は、その内容を就業規則に書くことになっています(第89条第4号)。賞与を払うこと自体は法律で決まっていないため、支給の有無や額は、就業規則と給与規程で確かめるのが確実です。
よくある質問
Q. 介護職の賞与は年何回が多いですか。 支給の回数を集計した国の統計は、確かめた範囲では見当たりませんでした。回数と月数は事業所ごとに違うため、求人票と給与規程で確かめる必要があります。
Q. 賞与からも税金や保険料は引かれますか。 引かれます。健康保険料・厚生年金保険料・雇用保険料と所得税がかかり、所得税は「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で計算します。毎月の給与の手取りの計算は手取り20万円の記事で説明しています。
Q. 賞与が出なかった年は、法律違反ですか。 賞与は法律で支払いが決まっているものではありません。ただし、就業規則や労働契約で額や計算の仕方が決まっている場合は、その内容に従うことになります。規程どおりに払われていないと思うときは、勤め先に確認するか、労働基準監督署に相談できます。
出典・参考にした一次資料
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介護職/ヘルパーの求人を見るこの記事は、公的な資料をもとにした一般的な解説です。制度・金額・日程は改定されることがあります。実際の手続きや個別の事情については、記事の出典の実施機関や、お住まいの都道府県・市区町村、ハローワーク、労働基準監督署などの窓口でお確かめください。